川村氏の印象に残るデザインへの思い

川村健一
名前
川村健一
肩書き
Art Director
所属
twistcube
URL
http://www.twist-cube.com
twitter.com/kenichikawamura
sohoでお仕事をされているとお伺いしましたが、sohoの事や今までの経歴などを含めて自己紹介いただけますか?
同じくデザイナーの妻と一緒にSOHOで仕事をしています。
仕事と子育ての両立で慌ただしい毎日ですが、この仕事だからこそできるビジネススタイルだと思うので、今後も今のかたちを大切にしていきたいですね。
デザイナーの中には「組織を拡大したい」という目標を持つ方も多いと思いますが、僕らの場合はあくまでマイペースに自分たちだからこそできるモノ作りを追求していきたいと考えています。
従来、デザイナーというと、デザイン系の学校を出て、広告代理店やデザイン事務所で実務を積むという流れが多かったかと思いますが、インターネットの登場で状況は一変したと思います。
僕が学生のころは法律について学んでいましたし、卒業後はデザイン事務所、システム会社、つづいてWeb制作会社とキャリアを積んできました。
ひとつの概念に固執することなく、いろいろな視点でモノ作りに携わること、そうすることで初めて見えてくる世界があると常に考えています。
川村健一
印象に残るデザインを意識されているとお聞きしましたが、具体的にはどんな事を指しますか?
情報がシンプルに、あたらしい角度で伝わってくることではないでしょうか。
素晴らしい仕事をみると、大概、根幹にあるコンセプトがしっかりしているなと感じます。
反面、違和感を覚えるものは、えてしてコンセプトが一貫していなくて、なにかごちゃごちゃしている。
コンセプトって一言で言い表せるくらいの明快さが大切なんだと思います。
デザイナーというと、細かい装飾を凝ることが主な仕事だとイメージする方もいるかと思います。
もちろん、デザインにおいてディテールは大切ですが、間違った方向に力を注いでも効果は望めません。
より高いレベルを目指すためには情報の本質を捉えて「テーマをシンプルに表現すること」が重要なのです。
情報が溢れる現代にあっては、単に奇麗だとか、カッコ良いというレベルでは多くの情報の中で埋もれてしまうでしょう。
ですから、パッと見た瞬間にデザインの意図を伝えられ、かつ、目を引く仕組みをデザインすること、この要件を満たしたものが印象に残るデザインなんだと思います。
では、印象に残るデザインを作るにあたってどのような事にこだわっていらっしゃいますか?
デザインする対象を理解することに一番神経を使いますね。
どんな特徴があって、その魅力を伝えるにはどこにフォーカスすれば良いのか。
そのまま忠実に表現すべきか、抽象化した方が適しているか、そういった点を一通り検証し、試行錯誤していきます。
僕の場合、プログラムを絡めたウェブサイト制作の仕事が多いので、まずモックを組んでみて根幹となる動きを詰めるところから始めることが多いです。
心地よい動きが見えてきたら、その時点ではじめてフォトショップでデザインする、そういうプロセスを大事にしています。
たしかに、最初からフォトショップでデザインを起こせば効率的なのでしょうが、それだと、その時点の知識の範囲内でしか提案できなくなってしまいます。
試行錯誤をすることで、自分でも気づいていなかった表現が生まれることがある、これがデザインの楽しいところだと思います。
たとえば、twistcubeのサイトは、まさに印象に残るためにはどうすれば良いかを考えた結果です。
「一言で言い表せるポートフォリオサイトを作りたい」というのがサイトを立ち上げる目的としてあって、そのためには、僕らの強みである、デザインとプログラムを絡めた表現がもっとも適しているであろうということで今の形に落ち着いています。
Webのデザインと紙のデザインの違いを一言でいうと?
テクニカル的な部分ではある程度の差異はありますが、本質部分では変わらないと思っています。
Webはインタラクティブで紙は静止画という差はありますが、では、紙がインタラクティブでないのかというと決してそんなことはないでしょう。
止まった時間の中にも、ビジュアルを見た後の心境の変化を考えたり、情報のコントラスト、色合いの変化や要素のジャンプ率など、様々な動きがありますから、動きを検証するという意味では同じなんですね。
幸せだと思う瞬間はなんですか?
仕事面では、クライアントから好意的なコメントをいただけた時。プライベートでは、家族揃って散歩してる時です。
川村健一

インタビュアーからひとこと

川村さんのデザインへの思いが伝わる内容です。特に、「試行錯誤をすることで、自分でも気づいていなかった表現が生まれることがある、これがデザインの楽しいところだと思います。」というところは感銘を受けました。インタビューをさせていただく前にお電話で打ち合わせさせていただきましたが、とっても丁寧な方で川村さんの人柄がでているように思いました。メールでの丁寧な対応も仕事への思いがキチンとされている方だと感じました。

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