クロスメディアをデザインする

櫻井 優樹
名前
櫻井 優樹
肩書き
Art Director
Designer
所属
Metamosphere Inc.
URL
www.Metamosphere.com
Twitter
@Metamosphere
アートディレクター/デザイナーとしてご活躍されている櫻井さんですが、どのようなお仕事に従事されていることが多いですか?
もともとグラフィックデザイナーとして活動していました。ここ数年はWebのプロジェクトも多くなってきました。ほとんどの仕事がアートディレクター+デザイナーとして従事させてもらっています。アートディレクションは世界感をつくる仕事なので、企画の骨子ができた段階から参加する事が多いです。ユーザーとのビジュアルコミュニケーションの取り方としてそれは成立するのか?をプロジェクトメンバーと試行錯誤するので企画も大きく変わったりする事もあります。
特にWebはもの凄いスピードで進化しているので、コミュニケーションの領域が広がっていますね。一般の人にどんどん近づいているので以前よりも違ったコミュニケーションの取り方が必要になってくると思います。そういうのも含め社会の動向にも気を配る事も重要ですね。
デザインされる際に常にこだわりを持っているものがありましたら教えていただけますか?
ターゲットがどういう風な印象を感じるか?どういう行動を起こすか?等を徹底的に考え抜きます。そこを洗い出す事によって、どのような世界感やコミュニケーションで打ち出すべきかは自然と出てきます。写真などの絵づくりはもちろん、例えばグラフィックだと、どのような印刷をすればターゲットの心に響くのだろうか?紙の印象や触覚まで様々なアプローチが可能です。
インタラクティブだと、モーションのスピード感や演出、リアルタイムでの参加感などグラフィックでは体験できない時間軸でのコミュニケーションの取り方も強みの一つです。でもそれぞれアプローチが違うだけで、世界感は強い幹として同じイメージで打ち出したいです。ターゲットにはグラフィックとかWebとか関係ないと思うので。
グラフィック、Web、その他のメディアの根底に世界感があるという事ですが、 クロスメディアでの事例などがありましたらご紹介いただけますか?
Google東日本ビジネス支援活動の一環として行われた、「仙台営業中!でかけよう。Googleプレイス」と題したキャンペーンのアートディレクションとデザインを担当させて頂きました。
これはGoogleプレイスと連動し、仙台の現在の様子と魅力を伝えるキャンペーンです。仙台にゆかりのある方の著名人の方々に、仙台のお気に入りスポットを紹介してもらう事によってプレイスを身近に感じてもらおうと考えました。普段webに関わりのない方々にも知ってほしいので駅張りのポスターや商店街のフラッグ、ピン型のうちわなども制作し、「でかけよう。Googleプレイス」の世界感を街に広めました。
またデジタルサイネージなども制作し駅中や商店街などで展開しました。アンドロイドの音声認識で行きたい場所を伝えるとピンがその場所を教えてくれます。その場所を最終的にNFCで読み取ることによってルートはもちろんのことお店のレビューなども手に入れる事ができます。こちらは実際撮影で使用した大型のピンと同じサイズのものが造作のポイントで、ポスターのイメージとリンクします。またwebサイトの方ではスチール撮影と平行して動画のインタビューなども撮影し、閲覧する事ができます。
とってもおもしろい企画ですね。この企画でこだわった点、大変だった点などありましたら教えてください。
このプロジェクトでは、優しい世界感を作る事に注力しました。キャッチコピーは全て手描きで行い、人の優しい一面を撮れる写真家さんにお願いしました。人肌と言うか人間らしさを大事にしたかったからです。実際に行ってみて大変だった事はやはりロケ撮影です。撮影は6月末の梅雨に入るか入らないかの怪しい天気の中行われました。モデルさんのスケジュールと天気とロケ場所の調整。外で撮る予定の時に突然夕立が降ったり。限られた時間の中、その時にいかに臨機応変に動くかが重視されました。でもそういう時って結構神がかった絵が撮れたりして。大変でしたが一番楽しかった部分でもあります。

質問コーナー

  • 会社名(屋号)は、どのように読み、どんな意味ですか?
  • "Metamosphere"は「メタモスフィア」と読みます。"Metamorphose"と"Atmosphere"を掛け合わせた造語で、「変化し続ける雰囲気」の意です。プロジェクトがヴィジュアルコミュニケーションとして、より良い情報に変化し伝わるように。そして、変化し続ける雰囲気の中で、僕自身も常に変化し続ける事が出来るように。そんな想いが、ひっそりと込められています。
  • 自主制作の作品などはされますか?最近のものでご紹介いただけるものがあればご紹介ください。
  • 基本的に自主制作をあまりしないのですが「Tokai Dochu Hizakurige」と言う作品をつくりました。これは2010年の夏に東海道五十三次を踏破した際になにか記録的なものを作品としてうまく残す事ができないかと考えてこの形に至りました。是非ご覧ください。
  • 今後やりたいことや注目していることはなんですか?
  • こつこつとなにか人知れず職人的な作業に没頭したいです。
  • 日本以外で好きな国とその好きな理由を教えてください。
  • 日本が好きであまり海外に興味は無いのですが、あえて言うとドイツに行ってみたいです。
  • 最近、何にハマっていますか?
  • 料理を作る事とランニングをする事。あと気まぐれにギターも弾くのが好きです。

インタビュアーからひとこと

クロスメディアを行う上でメディアごとの特性を生かしながらもユーザーへのコミュニケーションを第一に考えられている事に感銘を受けました。複数のメディアを扱う上で重要なデザインのトンマナももちろんですが、その根底に同じ世界観がある事が理解できるインタビューになりました。

次のご紹介者

岩城洋平さん
TWOTONE INC.Art Director, Designer